吉村篤一 建築展
―囲うとは如何なる事件(こと)か― 日時:2013年9月10日(火)~9月16日(月・祝) 場所:アートステージ567 入場料:無料
|
||||
“囲うとは如何なる事件か” これはわたしの師西沢文隆の著書『コートハウス論』にサインをしてもらったときに添え書きとして書いてあった言葉です。彼は当時坂倉準三建築研究所の大阪事務所長で、私より少し年上の若いスタッフたちと共にコートハウスを手掛けており、私が入所したころ既に数件が出来上がっていました。そして数年後に「西沢文隆小論集」の『コートバウス論』と『庭園論Ⅰ~Ⅲ』が出版されたのです。 私は今年大学を卒業してから満50年を迎えたことになります。坂倉建築研究所で12年、建築環境研究所で38年が経過しました。なんと半世紀間に亘って建築設計ひと筋に生きてきたことになります。振り返ってみるとあっという間に過ぎたようでもあるが、多くの人たちとの出会いがあって変化の多い50年であったともいえます。 私の坂倉時代は、西沢文隆に直接指導を受けたというよりは、彼のライフワークである京都の古建築を中心にした、庭と建築の関係の研究のための実測に参加したことにより、「囲われた空間」や「透けた空間」という概念を身につけることができたのでしょう。それは今の事務所をはじめて10年くらい経ってから、漸くそのことが徐々にわかってきたように思います。そして無意識のうちに住宅の設計に“囲う”という手法を用いるようになつてきました。それは京都の町家の仕事が増えてからのことかもしれません。“囲う“ことにより空間ができ、それを透かしたりずらしたりすることにより濃密な空間に変容することがある、ということに気が付いたのです。 このような手法により住宅を設計することが多くなり、JIA住宅部会のパネル展に毎年出展していると相当な枚数になりました。今回アートステージ567の本田夫妻のご協力を得て、それらのパネルを中心にささやかな展覧会を開くことになりました。あまり大したものではありませんが、ご覧いただき忌悼のないご意見・ご批判を頂ければ幸甚です。 [吉村篤一]
|
||||
鼎談:2013年9月13日(金)18:30-
パネラー 参加費:一般1,000円・学生500円 |